大切な仲間、人を想う心。『くろくんとなぞのおばけ』
くれよんのくろくんシリーズ3作目。
大切な人を想う気持ちに涙が出るお話、『くれよんとなぞのおばけ』を紹介します。
あらすじ
【あらすじ】
くれよんたちが朝起きると、きいろくんがいません。
「どこにいるのー?」「きいろくーん!」
くれよんたちは一日中、あちこち探し回りましたが、
きいろくんの姿は見つかりません。
疲れ切ったくれよんたちは、しかたなくまた明日探すことに。
ところが、翌朝起きると
今度はおうどいろくんとちゃいろくんがいなくなっていたのです。
くれよんたちはびっくり!
必死になって探しましたが、やっぱり見つかりません。
そして夜が明けるたびに、仲間がどんどんいなくなっていく…。
もしかして、おばけのしわざ?
「寝ている間に、おばけにつれていかれたのかもしれない!」
そして、とうとう、ひとりぼっちになってしまったくろくん。
くろくんはみんなを見つけることができるのでしょうか?
そして、おばけの正体とは…?
*********
こ、怖い…!
朝目が覚めるたびに仲間たちがいなくなっていく…
なんというホラーな展開。
ほんわかな絵とストーリーで紡がれる
なかやみわさんの作品でこんな物語があるなんて。
初めて読んだとき
私の方がドキドキしながらページをめくってたんじゃないかと思います。
このままホラーな話かと思いきや、意外な結末が待っています。
もちろん子供が読んで楽しい絵本ですが、
大人の心にもぐっとくるものがありました。
ひとり取り残されたくろくんが
意を決してほかのクレヨンたちを探す旅に出る姿は勇敢そのもの。
そして最後、くろくんの活躍によってあるひとつの絵が完成するのですが、
優しくてほんとうに美しい。
相手を思いやる心のあるくろくんだから描けた絵です。
3歳のわが子にはまだ難しいかと思いましたが、
おばけの正体やくれよんたちをさらった理由を「なんで?」「こういうこと?」
って質問してくれる姿から
ちゃんと分かろうとしているんだなと感じました。
ホラーな展開から、悲しくも美しい物語。
『くろくんとなぞのおばけ』は人を想う心を優しく描いています。
子供と読み続けたい絵本の一つになりました。
*********
【読み聞かせた年齢】3歳5か月
【選んだ理由】くろくんシリーズが好きだから
【入手方法】書店で購入
【うちの子のハマり度】★★★★