えほんのかんさつ日記

わが子と読んだ絵本の記録

大切な仲間、人を想う心。『くろくんとなぞのおばけ』

くれよんのくろくんシリーズ3作目。

大切な人を想う気持ちに涙が出るお話、『くれよんとなぞのおばけ』を紹介します。

なかや みわ さく・え/童心社/初版2009年

あらすじ

 

【あらすじ】

くれよんたちが朝起きると、きいろくんがいません。

 

「どこにいるのー?」「きいろくーん!」

 

くれよんたちは一日中、あちこち探し回りましたが、

きいろくんの姿は見つかりません。

 

疲れ切ったくれよんたちは、しかたなくまた明日探すことに。

 

ところが、翌朝起きると

今度はおうどいろくんとちゃいろくんがいなくなっていたのです。

くれよんたちはびっくり!

 

必死になって探しましたが、やっぱり見つかりません。

そして夜が明けるたびに、仲間がどんどんいなくなっていく…。

 

もしかして、おばけのしわざ?

「寝ている間に、おばけにつれていかれたのかもしれない!」

 

そして、とうとう、ひとりぼっちになってしまったくろくん。

 

くろくんはみんなを見つけることができるのでしょうか?

そして、おばけの正体とは…?

 

*********

 

こ、怖い…!

朝目が覚めるたびに仲間たちがいなくなっていく…

 

なんというホラーな展開。

 

ほんわかな絵とストーリーで紡がれる

なかやみわさんの作品でこんな物語があるなんて。

 

初めて読んだとき

私の方がドキドキしながらページをめくってたんじゃないかと思います。

 

このままホラーな話かと思いきや、意外な結末が待っています。

 

もちろん子供が読んで楽しい絵本ですが、

大人の心にもぐっとくるものがありました。

 

ひとり取り残されたくろくんが

意を決してほかのクレヨンたちを探す旅に出る姿は勇敢そのもの。

 

そして最後、くろくんの活躍によってあるひとつの絵が完成するのですが、

優しくてほんとうに美しい。

相手を思いやる心のあるくろくんだから描けた絵です。

 

3歳のわが子にはまだ難しいかと思いましたが、

おばけの正体やくれよんたちをさらった理由を「なんで?」「こういうこと?」

って質問してくれる姿から

ちゃんと分かろうとしているんだなと感じました。

 

ホラーな展開から、悲しくも美しい物語。

『くろくんとなぞのおばけ』は人を想う心を優しく描いています。

 

子供と読み続けたい絵本の一つになりました。

 

 

*********

 

 

【読み聞かせた年齢】3歳5か月

【選んだ理由】くろくんシリーズが好きだから

【入手方法】書店で購入

【うちの子のハマり度】★★★★